2026年9月8日、王立ニュージーランド海軍のアンザック級フリゲート HMNZS Te Mana「テ・マナ」と、補給艦 HMNZS Aotearoa「アオテアロア」が横須賀港に寄港しました。
「アオテアロア」は満載排水量約26,000トンの補給艦で、ニュージーランド海軍がこれまで運用してきた中で最大の艦艇です。逸見岸壁でも、ひときわ存在感を放っていました。
ニュージーランド海軍の2隻が横須賀へ

- 寄港期間:2026年9月8日(火)〜 9月15日(火)
- 寄港場所:海上自衛隊横須賀基地
- 寄港艦艇:
- アンザック級フリゲート HMNZS Te Mana「テ・マナ」
- 補給艦 HMNZS Aotearoa「アオテアロア」(ニュージーランド海軍最大級)
今回の寄港には、親善や補給だけでなく、日本とニュージーランドの防衛協力を深めるという重要な意味もあります。2026年8月15日に発効した「日・ニュージーランド物品役務相互提供協定(ACSA)」などを背景に、両国間では物品・役務の相互提供を含む防衛協力の基盤整備が進んでいます。
また、「テ・マナ」と「アオテアロア」は、8月中旬から9月上旬にかけて、日本周辺海域で北朝鮮籍船舶の「瀬取り」を含む違法な海上活動に対する警戒監視活動を実施しています。
さらにニュージーランド政府は、現在運用しているアンザック級フリゲートの後継について、日本の「もがみ」型フリゲートと英国のType 31フリゲートを中心に検討を進めています。現時点では最終決定には至っていませんが、防衛装備・技術分野を含め、日本とニュージーランドの今後の協力が注目されています。
横須賀基地で歓迎式典

横須賀地方総監の八木浩二海将は挨拶の中で、海でつながるインド太平洋地域の平和と安定には、日本とニュージーランド両国の協力が不可欠であると述べました。また、今回の寄港を通じて、両国の相互協力や運用面での連携がさらに深まることへの期待を示しました。
さらに、継続的な訪問と交流によって築かれてきた両国の強い結びつきに触れ、乗組員に対して、日本滞在中に文化や街を楽しんでほしいとの歓迎の言葉を贈りました。

続いて挨拶した「テ・マナ」艦長のTuijo Thompson中佐は、今回の受け入れにあたった海上自衛隊への感謝を述べました。
日本とニュージーランドは、ともに海に囲まれた海洋国家です。
Thompson中佐は、両国が「自由で開かれた海上交通」や「ルールに基づく国際秩序」といった共通の価値観を持っていることを強調しました。
寄港前日には荒天の中、海上自衛隊の艦艇と洋上親善訓練(PASSEX)を実施。海上自衛隊とともに訓練できたことを誇りに感じていると語りました。
そして、ここから少し表情が和らぎます。
Thompson中佐にとって、日本は今回が初めてではありません。
2007年には学生として、2017年には艦艇の乗組員として日本を訪問。そして2026年、今度は「テ・マナ」の艦長として横須賀を訪れることになりました。
立場を変えながら、約20年にわたって日本との縁が続いていることになります。
そうした経験を振り返りながら、両国の戦略的な関係はもちろん、「隊員同士の個人レベルでの交流こそが最も心に残る」と語ったThompson中佐。
日本での滞在中、文化や食事を楽しみにしている様子も印象的でした。
艦長同士で記念品を交換


今回、ニュージーランド海軍の2隻を迎えるホストシップを務めるのは、護衛艦「まや」。柴田悟朗艦長と「テ・マナ」「アオテアロア」の各艦長が、それぞれ記念品を贈り合いました。
こうした記念品の交換も、外国艦艇の寄港時ならではの光景です。

「スマイル!」記念撮影は和やかな雰囲気に

記念品交換の後は、艦長らによる記念撮影へ。
「後ろの方顔を出して」「スマイル!」
互いに声を掛け合うと、自然と笑顔が。ここまでの式典では整然とした雰囲気が続いていましたが、カメラを前にすると空気が柔らかくなります。
日本・ニュージーランド両国の隊員たちの距離が近づいたように感じられる、和やかなひとときとなりました。
安全保障や防衛協力という言葉だけではなかなか見えてこない、隊員同士の“顔の見える交流”。Thompson中佐が語った「個人レベルでの交流」の意味を、そのまま表しているような光景でした。

「テ・マナ」と「アオテアロア」は、9月15日(火)まで横須賀に滞在する予定です。
海上自衛隊横須賀基地に停泊する艦はヴェルニー公園から見ることができます。
海上自衛隊の艦艇が並ぶ港に、ニュージーランド海軍の艦艇が加わる期間限定の風景。横須賀だからこそ出会える光景のひとつです。
ヴェルニー公園を散策する際には、いつもの港とは少し違う景色にも注目してみてください。
取材日:2026/9/8



