妊娠が分かったら、うれしい気持ちと同時に、
「出産までにいくらかかる?」
「どんな給付金がもらえる?」
「自衛官なら一般の会社員とは制度が違う?」
「横須賀市の支援と防衛省共済、両方使えるの?」
など、お金や仕事について気になることも増えてきます。
横須賀に住む自衛官・防衛省職員とその家族の場合、特に知っておきたいのが、「横須賀市の制度」と「防衛省・防衛省共済組合の制度」は別々に確認する必要があるということです。

条件を満たせば、横須賀市民として妊娠・出産支援を受けながら、防衛省共済組合の出産に関する給付や、防衛省・自衛隊の休暇・育児支援制度を利用できる場合があります。
今回は、横須賀在住の自衛官・防衛省職員とその家族に向けて、妊娠が分かってから出産・産後・育児までに確認しておきたい制度をまとめます。
まず確認。「横須賀市」と「防衛省」の制度は別
自衛官家庭の妊娠・出産支援は、大きく2つに分けて考えると分かりやすくなります。
横須賀市民として利用する制度
と、
自衛官・防衛省職員として利用する防衛省・防衛省共済組合の制度
です。
たとえば横須賀市には、妊婦支援給付金、市独自の出産子育て応援祝い金、妊婦健診の助成、産後ケアなどがあります。
一方、防衛省共済組合には出産費や出産費附加金、育児休業手当金などがあり、防衛省・自衛隊には産前・産後休暇、育児休業、配偶者の出産に伴う休暇などがあります。
そのため、
「市役所で手続きしたから全部終わり」
ではありません。
妊娠が分かったら、
横須賀市+所属部隊等の人事担当+防衛省共済組合
の3方向から、自分たちが利用できる制度を確認するのがポイントです。
1|国の「妊婦支援給付金」は単胎なら10万円相当

まず確認したいのが、国の「妊婦支援給付金」です。
1回目:妊婦1人につき5万円
2回目:妊娠している子どもの人数1人につき5万円
が支給されます。
単胎妊娠の場合は、合計10万円相当です。
1回目は、妊娠届出書を提出して母子健康手帳を受け取る際の面談後に資格認定・申請を行います。
2回目は出産後の「こんにちは赤ちゃん訪問」などで手続きが案内されます。
流産・死産の場合も対象となります。
自衛官本人が妊娠した場合だけでなく、自衛官の配偶者が妊娠した場合も、その妊婦本人が制度の対象となるかを確認しておきましょう。
2|横須賀市独自でさらに10万円相当
横須賀市には、国の制度に加えて、市独自の「出産子育て応援祝い金」があります。
市独自分も、
1回目:妊婦1人につき5万円
2回目:妊娠している子どもの人数1人につき5万円
です。
そのため、単胎妊娠の場合は横須賀市独自分で合計10万円。
国の妊婦支援給付金と合わせると、条件を満たした単胎妊娠の場合、
国の妊婦支援給付金:10万円相当
+
横須賀市独自の祝い金:10万円相当
= 合計20万円相当
となります。
ここで注意したいのは、横須賀に勤務しているだけでは、市独自祝い金の対象になるわけではないことです。
市独自の祝い金には横須賀市への住民登録などの要件があります。
横須賀基地や横須賀地区の部隊等に勤務していても、市外に住んでいる場合は別途確認が必要です。
3|妊婦健康診査は最大9万5,000円助成

妊娠中に何度も受診することになる妊婦健康診査。
横須賀市では、その費用の一部を助成しています。
受診券は、
10,000円券×3枚
5,000円券×13枚
の合計16枚。
助成上限額は合計95,000円です。
ただし、95,000円が現金でもらえる制度ではありません。
あくまで妊婦健康診査の費用に対する助成で、実際の健診費用が助成額を上回った場合などには自己負担が発生します。
また、防衛省・自衛隊側にも、妊産婦が保健指導や健康診査を受けるための特別休暇などが設けられています。
女性自衛官・防衛省職員本人が妊娠した場合は、
横須賀市 → 健診費用の助成
防衛省 → 健診を受けるための休暇制度
と、それぞれ別の制度を確認しておくとよいでしょう。
4|妊婦歯科検診は無料
横須賀市に住民登録のある妊婦は、妊婦歯科検診を無料で受診できます。
母子健康手帳交付時に「無料妊婦歯科検診受診券」が交付されます。
妊娠中は、女性ホルモンの影響やつわりなどによって口腔環境が変化しやすい時期です。
ただし、無料なのは検診です。
検診の結果、むし歯などの治療が必要になった場合、その治療費は自己負担となります。
勤務、当直、訓練などの予定も考えながら、妊婦健診とあわせて早めに受診しておきたい制度です。
5|自衛官なら注目!防衛省共済は「出産費+附加金」

ここからは、自衛官・防衛省職員の家庭だからこそ確認しておきたい制度です。
防衛省共済組合では、組合員が出産した場合、原則として1児につき、
出産費:50万円
+
出産費附加金:4万円
= 54万円
が支給対象となります。
さらに、組合員本人ではなく、被扶養者である家族が出産した場合にも、
家族出産費:50万円
+
家族出産費附加金:4万円
= 54万円
が支給対象となります。
つまり、自衛官本人が出産するケースだけでなく、
「自衛官の被扶養配偶者が出産する」
という家庭もチェックしておきたい制度です。
なお、産科医療補償制度に加入していない医療機関等で出産した場合などは、基本部分が48万8,000円となり、附加金を含め52万8,000円となる場合があります。
また、直接支払制度を利用した場合、出産費の基本部分は医療機関等への出産費用の支払いに充てられます。
そのため、「出産すると必ず現金54万円が振り込まれる」という意味ではありません。
妊娠4か月(85日)以上の死産、流産、母体保護法に基づく人工妊娠中絶も対象となります。
6|女性自衛官は産前6週・産後8週
女性自衛官・女性職員本人が出産する場合は、職場側の制度も早めに確認しましょう。
基本となる産前・産後休暇は、
産前:出産予定日の6週間前から
多胎妊娠の場合:14週間前から
産後:出産翌日から8週間
です。
また、妊娠中の健康診査、休息・補食、通勤緩和などに対応する制度もあります。
特に自衛官の場合は、一般企業とは勤務環境が異なります。
妊娠が分かったら早い段階で上司や人事担当者へ相談し、今後の勤務や利用できる制度を確認しておくことが重要です。
横須賀に住む女性自衛官なら、
医療機関
↓
横須賀市
↓
所属部隊等の人事担当
↓
防衛省共済組合
という4つの窓口を意識すると、必要な手続きを整理しやすくなります。
7|男性自衛官も「配偶者の出産・育児参加」の制度を確認
出産・育児の制度は、出産する本人だけのものではありません。
防衛省・自衛隊には、男性職員についても配偶者の出産に伴う特別休暇や、育児参加のための特別休暇などが設けられています。
また、男性職員の育児休業取得も推進されています。
特に自衛官家庭の場合、
「妻が出産するけれど、いつから休める?」
「出産直後に何日取得できる?」
「育休はどのタイミングで取る?」
といったことを、出産直前になってから調べるのではなく、妊娠中から所属部隊等の人事担当者と調整しておくことが重要です。
制度の対象期間や取得単位などは、本人の身分や勤務状況などによって確認が必要です。
8|育児休業は3歳まで。ただし「手当金」は別

ここは混同しやすいポイントです。
防衛省の育児休業制度では、子どもが3歳に達する日まで育児休業を取得できます。
しかし、
「3歳まで育休を取れる」=「3歳まで育児休業手当金が支給される」
ではありません。
防衛省共済組合の育児休業手当金は、原則として子どもが1歳に達するまでが支給期間です。
保育所に入れないなど一定の要件を満たした場合は、1歳6か月まで、さらに一定の要件を満たせば2歳まで延長される場合があります。
また、「パパ・ママ育休プラス」に該当する場合は、一定の要件のもと1歳2か月まで対象となります。
育児休業そのものと、育児休業中にもらえる手当金は別制度として考えておきましょう。
9|「育児休業支援手当金」もチェック
さらに、防衛省共済組合には育児休業支援手当金があります。
出生直後の一定期間に、原則として組合員とその配偶者がともに14日以上の育児休業を取得するなどの要件を満たした場合、育児休業手当金に加えて、最大28日間支給される制度です。
配偶者が産後休暇中である場合など、配偶者の育休取得を要件としないケースもあります。
特に、
夫婦ともに自衛官・防衛省職員
共働きで育休を取得する予定
という家庭は確認しておきたい制度です。
10|産休・育休中は共済掛金が免除される場合も
産休や育休中のお金を考えるなら、毎月の共済掛金も重要です。
防衛省共済組合では、産前産後休業や育児休業等を取得した組合員について、申出により一定期間の掛金等が免除される制度があります。
ポイントは、「自動的に免除される」とは限らないこと。
必要な手続きを所属先・共済組合に確認しておきましょう。
給与や手当だけを見るのではなく、
育休中に何が支給されるか
と同時に、
何の支払いが免除されるか
まで確認すると、育休中の家計をより正確に把握できます。
11|横須賀には自衛隊関係者も利用する保育施設がある

横須賀ならではの情報として知っておきたいのが、「Jキッズマリンこのはな保育園」です。
海上自衛隊第2術科学校の敷地内にあり、2025年4月から横須賀市の認可保育園となっています。
防衛省・自衛隊では、基本保育だけでなく一時保育や延長保育など、職員の仕事と育児の両立を支援する取り組みを進めています。
また、災害派遣などで急な登庁が必要になった場合に、他に預け先がない隊員の子どもを一時的に預かる緊急登庁支援もあります。
当直、訓練、災害派遣など一般企業とは異なる勤務がある自衛官だからこそ、通常の保育園情報とあわせて確認しておきたいポイントです。
12|産後は横須賀市の「産後ケア」も利用できる
職場側の制度だけではありません。
横須賀市では、原則として横須賀市に住所がある産後1年未満のお母さんと赤ちゃんなどを対象に、産後ケア事業を実施しています。
施設でケアを受ける「施設型」と、助産師が自宅を訪問する「訪問型」があり、
- 授乳相談
- 乳房ケア
- 育児相談
- 生活相談
- 沐浴指導
- 赤ちゃんの体重や発育・発達の確認
などを受けられます。
利用できるのは、各メニューを組み合わせて最大7回、多胎の場合は最大14回。
利用料金は世帯区分や利用方法によって異なります。
自衛官本人または配偶者が出産し、もう一方が勤務、当直、訓練などで家を空けることがある家庭なら、覚えておきたい地域のサポートです。
13|生後4か月までは「こんにちは赤ちゃん訪問」

横須賀市では、生後4か月までの赤ちゃんがいるすべての家庭を対象に、助産師や保健師が訪問する「こんにちは赤ちゃん訪問」を無料で実施しています。
訪問では、
- 赤ちゃんの体重や発育・発達
- お母さんの体調
- 授乳
- 予防接種
- 育児についての相談
- 利用できる子育てサービス
などについて相談できます。
転勤をきっかけに横須賀へ来て、
「近くに両親や親族がいない」
「横須賀で初めて子育てする」
という自衛官家庭なら、地域の子育て支援につながる機会として活用したい制度です。
横須賀在住の自衛官家庭なら、何をチェックできる?
ここまでの制度を、横須賀市に住民登録があり、防衛省共済組合の組合員本人が単胎妊娠・出産するケースで整理してみます。

ここで大切なのは、この表の金額をすべて足して「自衛官なら○○万円もらえる」と考えないことです。
妊婦・産婦健診は現金給付ではなく費用助成。
出産費は、通常は実際の出産費用の支払いに充てられます。
育児休業手当金は給与や休業期間などによって支給額が異なります。
また、それぞれに住民登録、共済組合員・被扶養者資格、妊娠・出産の状況などの条件があります。
自衛官家庭は「市役所+所属先+共済」の3か所を確認
横須賀で妊娠・出産を迎える自衛官家庭の場合、一般的な自治体の子育て情報だけでなく以下も確認しましょう。
① 横須賀市
妊婦支援給付、市独自祝い金、妊婦健診、産後ケアなど
② 所属部隊等の人事担当
産前産後休暇、配偶者の出産に伴う休暇、育児休業、勤務上の制度など
③ 防衛省共済組合
出産費、4万円の附加金、育児休業手当金、掛金免除など
の3つです。
特に、防衛省共済組合の出産費附加金4万円や育児休業支援手当金は、一般的な横須賀市の妊娠・出産情報だけを見ていると気付きにくい制度です。
妊娠が分かったら、市役所への手続きと並行して、早めに所属部隊等の人事担当者と共済組合へ確認しておきましょう。
「横須賀市民として使える制度」+「自衛官・防衛省職員として使える制度」。
この2つを知っておくことが、妊娠・出産・育児に関する制度を取りこぼさないためのポイントです。
まず確認したい3つ
制度が多くて分からない場合は、まず次の3つから確認するのがおすすめです。
① 横須賀市「横須賀はぐくみプラン」
https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/3145/neobora.html
② 横須賀市「出産子育て応援祝い金」
https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/3915/skoueniwaikin.html
③ 防衛省共済組合「出産」総合ページ
https://www.boueikyosai.or.jp/site/folder18/list128.html
※本記事は2026年8月時点の横須賀市、防衛省・自衛隊、防衛省共済組合の公式情報をもとに作成しています。制度内容や金額は変更される場合があります。また、自衛官、事務官等、共済組合員、短期組合員など身分・加入状況によって利用できる制度や条件が異なる場合があります。
実際の申請・取得にあたっては、横須賀市、所属部隊等の人事担当、防衛省共済組合で最新情報をご確認ください。



